米国環境保護庁(EPA)の桁違いのPFAS規制

琉球新報(2022年6月18日)

PFAS市民連絡会の桜井国俊共同代表のコメント

昨日6月17日の地元二紙の報道でPFOA、PFOSについての米国環境保護庁(EPA)の新しい規制の動きについてはご承知のことと思います。詳しく知りたい方は、2022年6月15日発表のEPAの次の情報をご覧下さい。

 

https://www.epa.gov/sdwa/drinking-water-health-advisories-pfoa-and-pfos

 これで見ますと、新しい暫定勧告値はPFOAが0.004ppt、PFOSが0.02pptで、又新たにGenx Chemicals(PFOAの代替品)が10ppt、PFBA(PFOSの代替品)が2,000pptと暫定勧告値が示されています。今後の見通しとしては年内にも確定規制値の公表にまでもっていきたいとのことです。

追加情報です。

 本日6月18日の琉球新報には桁違いに厳格化された米PFAS基準について県企業局は技術的な問題(水質分析のこと)に関して不安を示していると報じています。実は私も、新しい基準に対応した分析ができるのかどうか正直疑問に思っていたところです。琉球新報の報道によれば、現在の企業局の測定機器・方法での検出限界値は1ng/Lだというのです。これでは新しい基準に到底対応できません。

 一方EPAは、6月15日に新しい暫定勧告値を発表するに際して、飲料水中のPFASの分析方法としてEPA分析法533と537.1を推奨しており、この2方法を用いることで29種類のPFASの分析ができるとしています(土壌の分析法は含まれません)。EPA推奨のこの方法は次のサイトで見ることが出来ます。

https://www.epa.gov/pfas/epa-pfas-drinking-water-laboratory-methods

更に続報です。EPA長官は、6月14日に行なった演説で次のように述べています。

While the new guidelines set acceptable risk below levels that can currently be measured, as a practical matter EPA recommends that utilities take action against the chemicals when they reach levels that can be measured — currently about four parts per trillion, a senior administration official told reporters Tuesday night.The EPA said it expects to propose national drinking water regulations for PFOA and PFOS later this year, with a final rule expected in 2023.

 直訳すれば次の通りです。

EPA長官は、火曜の夜、「新しいガイドラインは現在測定可能なレベルよりも低いところに許容可能汚染レベルを設定しており、水道事業などにおいては測定可能なレベルの汚染(それは現在、約4pptであるが)がある場合には(汚染対策のための)対処行動を採るようにEPAは推奨する」と記者達に述べた。また長官は、「EPAは、PFOAとPFOSの国家レベル飲料水規制値を本年遅くに示し、最終的な規制値は2023年に提案する積りだ」と述べた。

 上記の演説のアドレスは次の通りです。

https://www.npr.org/2022/06/15/1105222327/epa-drinking-water-chemicals-pfas-pfoa-pfos

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