参加は、国会議員・秘書など32名、関係者・一般参加52名、メディア16社
有機フッ素化合物(PFAS)汚染から健康と生命を守るために(要望)
厚生労働大臣 加藤勝信 殿 環境大臣 西村明宏 殿 防衛大臣 浜田靖一 殿
有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会
共同代表:伊波義安、桜井国俊、玉那覇淑子、町田直美
拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、私どもPFAS市民連絡会は、今年、6月から7月にかけて、沖縄6市町村におきまして、PFASによるヒトの体内汚染、環境汚染に関する、全国でも初めての大規模調査を実施いたしました。
先月10月15日、血中濃度の分析結果(研究責任者: 原田浩二准教授、京都大学環境衛生学)につき、沖縄県庁で記者会見を開いて、別紙のとおり公表いたしました。沖縄のPFAS血中濃度は、全国調査(環境省2021年)との比較において、PFOSは最大3.1倍、PFOAは3.0倍、PFHxSは14.3倍と、放置できない高い結果でした。
米軍基地周辺地域の血中濃度が総じて高いこと、また、水道水をそのまま飲用するグループと、浄水器設置や水を購入するグループを比較すると、浄水器や水購入の方が血中濃度は低いことが分かりましたが、家計への負担が大きく、また、浄水器では環境負荷は防げません。
そして、血液検査をした387人のうち27人が、要措置濃度(注1)を上回っていることが判明しました。PFAS問題は、生存権の問題であり、国際的にPFAS規制が厳格化される動向と、今回の検査結果をエビデンスとして、行政による広域疫学調査、環境調査に継続的に取組むことに求めます。
つきましては、下記のとおり要望します。よろしくお願い致します。 敬具
記
1 米国環境保護局(EPA)等の指針を参考にして、PFAS規制を立法化すること
2 国民の健康と生命を守るために、国の責任で疫学調査、環境調査を実施すること
3 汚染源が疑われる米軍基地の立入り調査を、政府が主権国家として実施すること
4 米軍の環境汚染につき情報公開させ、それに基づいて汚染を浄化させること
※注1、ドイツではHBM-Ⅱという管理目標値を定めており、PFOSは血中濃度20 ng/mL、PFOAは10 ng/mL。妊娠適齢期女性はそれぞれ半量の10 ng/mL、5ng/mL。この値を超えると、健康影響があると考えられるレベルであり、行政は、緊急に曝露低減策を取る必要がある値。